2014年12月議会 一般質問

●一般質問

共生社会をめざして(在日外国人が安心して暮らせるまちづくりに向けて)

共生社会をめざして(在日外国人が安心して暮らせるまちづくりに向けて)一般質問を行います。

12月10日は、世界人権デーです。これは国連が1948年12月10日の第3回総会で、「世界における自由,正義及び平和の基礎である基本的人権を確保するため,全ての人民と全ての国とが達成すべき共通の基準として」世界人権宣言を採択し,続く1950年12月4日の第5回総会において,世界人権宣言が採択された日の12月10日を「人権デー」と定めました。そして全ての加盟国及び関係機関が,この日を祝して人権活動を推進するための諸行事を行うようにと,要請する決議を採択しました。

また12月9日付で、最高裁が特定団体によるヘイトスピーチを人種差別と認めた大阪高裁判決について被告側(在特会)の上告を棄却し、高裁判決が確定しました。この判決は、被告になった団体の街宣活動の差し止めと賠償を命じています。

これで少しは歯止めがかかるかもしれませんが、それでも在日コリアンへの誹謗中傷、差別的憎悪表現による街頭宣伝活動や、イベントは全国的に後を絶たない状況であると言え、京阪神の繁華街においてもたびたび行われています。

またこのような行動を行う団体が、近隣市の公的な施設において在日コリアンを誹謗するイベントを開催し、今後も準備されていると聞いています。

インターネット上では目や耳を覆いたくなるようなまさに犯罪的な馬事雑言が在日コリアンに向けられています。このような理不尽な差別行為や暴力は、これまでも、在日コリアンの子どもたちに対しても行われてきました。が、昨今、より顕著で露骨になってきたように感じます。一方で排外主義グループを放置し、許すことができないとして対抗する「カウンター行動」や「なかよくしようぜパレード」などの反ヘイトを訴える市民の行動も活発になっていますが、残念ながら行政が毅然としてヘイトクライムに対して立ち向かい、対処している例は僅かな例しかありません。

このような日本社会において、たとえ現在は箕面市内で露骨な差別事件がないとしても、在日コリアンの人たちの日常は不安そのものであろうと考えます。

「箕面市人権宣言」(1993年)のなかには、「にんげんを否定することがらに、しっかりと向き合い、それをなくすために行動したいと考えています。」とあります。この誇り高き宣言を実践するために、市も市民も何ができるか、どう行動すべきか、考えていきたいという思いで、この質問を行います。

外国人市民との共生のまちづくりを進めてきた箕面市の見解を求めるとともに、在日外国人との共生社会をめざす意味で、とりわけ在日コリアンの人権を守るための市の決意、意気込みを伺いたいと考えておりますので、真摯なご答弁をよろしくお願いします。

1点目に、ヘイトクライムについて、市の認識をお伺いします。

全国的に顕著になっている在日コリアンに対する排外主義的、差別扇動は、旭日旗や日章旗を掲げながら「朝鮮半島へ帰れ」「朝鮮人をたたき殺せ」「朝鮮人 首吊レ 毒飲メ 飛ビ降リロ」「よい韓国人も悪い韓国人もどちらも殺せ」などと絶叫しながら、各地で行われています。

2013年に国内で企画されたヘイトデモに関する街宣活動は360件にのぼるとされ、うち近畿では約100件がカウントされています。(ヘイトスピーチの対象は在日コリアン、韓国、中国のみならず、反原発運動、広島の平和運動など多岐にわたっています。また、デモや街宣活動の他にも、排外主義を宣伝する講演会やシンポジウム、パネル展等も頻繁に行われています)

韓国や北朝鮮との間でに外交問題があろうとも、在日コリアンに対するこのような行為は、「公共の平穏を乱し、人間としての尊厳を傷つけ」もので、決して許されません。

市は、このような各地で行われているヘイトクライムの実態について、どのように認識されているでしょうか?また、このようなヘイトクライムが何故、増大してきたのか、背景はどのようになっているのかについて見解を求めます。

<答弁>
ただいまの中西議員さんのご質問に対しまして、ご答弁いたします。

まず、ヘイトクライムは、人種、民族、国籍などを理由とする偏見に基づいたマイノリティに対するいわゆる憎悪犯罪と認識しており、報道等以外に市が直接に実態を把握しているものはありませんが、各地に広がりを見せていることは認識しています。また、偏見や憎悪に基づく表現であるヘイトスピーチの一部は、限度を超え、実際の暴力を誘引する場合が多いという点で、ヘイトクライムと共通するものと認識しています。

また、ヘイトクライムが増大する背景ですが、外交上の紛争に加え、インターネットにおける匿名性の影に隠れ、特定の集団や個人を貶めたり、差別や暴力行為を煽ることに罪悪感を感じないという風潮があり、そういったことの影響を背景として顕在化しているものと考えています。

以上でございます

◆再質問
ただ今のご答弁について、「ヘイトクライム」「ヘイトスピーチ」が偏見に基づいたマイノリティに対する憎悪犯罪であるという市の認識をお伺いしました。

この問題で、東京都の舛添都知事は「民主主義を否定するようなことはやめるべきだ」という見解を示し、また2020年に開催予定の東京オリンピックに言及して「他民族に汚い言葉を投げかける東京で、五輪なんて胸を張ってできない」と強調したそうです。また大阪市の橋下市長も「ひどすぎる。やり過ぎで問題だ」という考えを明らかにしています。

なお川崎市では、福田紀彦市長がヘイトスピーチについて「人種や国籍を排斥する行為そのものが人間として許されない」との見解を示しています。

大阪においては鶴橋のデモに参加した女子中学生が「調子に乗っていたら鶴橋大虐殺を実行しますよ」などと発言するような事態になっています。

そこで箕面市もこのような行動についてのお考えを、単なる一般論ではなく、ヘイトクライムに対する明確な意思を述べていただきますようお願いします。

<答弁>
ヘイトクライムに対する本市の見解について、ご答弁いたします。

先にご答弁いたしましたように、ヘイトクライムは、人種、民族、国籍などを理由とする偏見に基づいたマイノリティに対する差別的攻撃であり、憎悪犯罪であると認識しており、許されざる行為であると考えています。

以上でございます。

ありがとうございます。

国際NGO(ヒューマンライツ・ナウ)が今年の11月に「在日コリアンに対するヘイト・スピーチ被害実態報告書」をとりまとめ公表しました。その中には、実際にヘイトスピーチ知った子どもがショックを受けて、出自を周囲に明らかにしてはいけないと思うようになった事例や、本名を名乗っている子どもが家から外に出るのを嫌がり、日本人に名前を伝えるのを怖がるようになった事例もあります。さらにヘイトスピーチを生み出し、規制もせずに容認している日本社会や普通の人がヘイトスピーチに参加いていることへの恐怖などもありました。

ただ今のご答弁で、マイノリティに対する差別攻撃・憎悪犯罪は許されない行為である、というのは当然であると考えますが、そういった憎悪を生み出す要因について、考えていきたいと思います。

箕面市に在住する在日コリアンは2014年11月末現在で、707人。
日本人と結婚し、日本国籍を有する人や、帰化した市民などを合わせると、さらに多くなるでしょう。そもそも、一般の外国人と在日コリアンの大半の人たちとは歴史的背景が大きく異なります。

市は在日コリアンの歴史的形成過程をどのように認識されているでしょうか?

<答弁>
在日コリアンの歴史的形成過程について、ご答弁いたします。
在日コリアンと呼ばれる、第2次世界大戦の戦前、戦中に日本の支配下にあった朝鮮半島出身者とその子孫である在日韓国・朝鮮人の方は、終戦に伴い多くの方が帰国されましたが、日本に残留された方は、昭和27年のサンフランシスコ講和条約の発効により、日本国籍を喪失しました。

日本国籍を失った後も引き続き日本に在留しているかたとその子孫のかたを対象として、平成3年に「入管特例法」により定められた特別永住資格が認められました。

いわゆる在日コリアンと呼ばれるみなさんは、このような歴史的な背景により、日本に在住されている韓国・朝鮮人の方々であると認識しています。

以上でございます。

次に、ヘイト団体が主張している、在日コリアンに「特権」があるのかどうかお伺いします。 箕面市において「特権」といえる措置が行われているでしょうか?

また福祉金制度とはどういうものでしょうか?受給者数はどうなっているのかも、併せてお聞きします。

<答弁> 
在日コリアンに対する本市の特別措置について、ご答弁いたします。

まず、日本人にない権利を在日コリアンのかたが有しているかというお尋ねですが、わが国においては、日本国民や他の外国人市民と比較すると、在日コリアンの方に対しては、入管特例法に基づく資格として特別永住資格が認められています。

また、創氏改名時の名前や新たに採用した日本人名を、通称名として住民票に登録し、日常生活において使用することが出来ますが、これは社会生活の便宜を図るために認められています。

次に在日外国人に対する福祉金制度についてですが、昭和34年の国民年金法の成立時に外国籍であった方は、年金制度の対象外となり、昭和57年の国民年金法の改正で国籍要件が撤廃されるまでの間、公的年金に加入出来ませんでした。そのため、昭和61年の国民年金法再改正時に60歳以上だった高齢者と昭和57年1月1日以前に20歳を超えていた障害者が無年金となりました。このような公的年金に加入できなかった在日外国人の無年金者に、福祉金を支給する制度で、本市における受給者数は、高齢者福祉金及び障害者福祉金の受給者がそれぞれ1名おられます。

なお、福祉年金制度に関して本市では、法律や国の制度に基づき対応しています。

以上でございます。

●再質問
それでは、特別永住者資格は「特権」にあたるでしょうか?市の見解を求めます。

<答弁> 
特別永住者資格について、ご答弁いたします。

特別永住者資格は、先にご答弁いたしました、いわゆる「入管特例法」により定められた在留資格です。第2次世界大戦終結以前から日本に居住されており、昭和27年のサンフランシスコ平和条約の発効により、日本国籍を失った後も引き続き日本に在留している朝鮮半島又は台湾出身のかたとその子孫のかたを対象としています。

先に申し上げたとおり、他の外国人との比較においては、異なった取り扱いがされているものです。

以上でございます。

ご答弁ありがとうございます。

ただ今のご答弁では、特別永住者資格が、ヘイト団体のいう「はく奪されるべき特権」と言われるようなものなのかどうかが分かりにくいようですので、再度お尋ねします。特別永住資格は1991年にようやく定められたものですが、それまでの在日韓国人・朝鮮人・台湾人の処遇はどのようなものだったのでしょうか。

<答弁>
特別永住者資格が整備されるまでの経緯について、ご答弁いたします。

先にご答弁いたしましたように、サンフランシスコ講和条約発効に伴い、以前から日本に居住されていた人々は日本国籍を喪失しましたが、昭和40年には「入管特別法」が制定されたことにより、韓国国民は、申請により「協定永住」という永住資格を取得出来るようになりました。

それ以外の方は、昭和56年に、特例によって、永住を許可される「特例永住」が導入されましたが、これらの永住資格は、在日三世以降については、定められていませんでした。

平成3年には、「入管特例法」により、在留資格が「特別永住」に一本化され、在日三世以降の方に対しても永住が許可されました。

以上でございます。

色々と質問しましたが、在日コリアンは、日韓併合・いわゆる日本の植民地政策で「日本人」となり、創氏改名政策で日本人名を名乗ることを余儀なくされました。強制連行を含む渡日で、日本で暮らし、また生まれ・育った人たちです。敗戦後には、外国人扱いとなり、外国人登録証の常時携帯義務や指紋押捺制度などがあり、また韓国籍・朝鮮籍によって格差があるなど、課題が山積していました。
国内外の世論が後押しして、ようやく今ご説明いただいた「特別永住者資格」へと繋がったと認識しています。ここへ到達するまでの在日の方々の苦難を見つめてきた世代としては、時間がかかり過ぎたという思いがありますが、歴史的形成過程が他の外国人と異なり、納税の義務は果たしているが選挙権はありません。そんなか今また、「朝鮮へ帰れ」などという心無い、恥ずべき行為がこの大阪を拠点のひとつに繰り広げられていることに、心から憤りを感じております。

2点目に、表現の自由とヘイトスピーチ・ヘイト団体について質問します。

先ほども述べましたが、ヘイトスピーチやヘイト活動を行っている団体が、市の公共施設で、パネル展や講演会などを企画するケースが見られます。

あきらかに差別を扇動し、助長させる内容で、在日コリアンなどの名誉や尊厳を著しく傷つけるイベントであると認められる場合(もしくは想定できる場合)、市は施設使用を認めるのでしょうか?

市は差別を扇動する行為について、「表現の自由」として許容されると考えるのでしょうか?

市の見解をお伺いします。

<答弁>
ヘイトスピーチやヘイト活動団体の公共施設の利用について、ご答弁いたします。

本市においては、ヘイトスピーチやヘイト団体がこれまで公共施設の利用を申請されたことはありませんが、もしそのような団体がご指摘のような目的で施設の利用申請をされた場合においては、各施設の条例、規則の規定にもとづき、不許可や利用制限、使用許可の取り消し等をおこないます。

差別を扇動する行為と「表現の自由」については、無制限に保障されるものではなく、その内容が他人の人権を侵害するなど、公共の福祉に反する場合は制約されることがあると考えます。

以上でございます。差別的」な集会に対する他府県の対応についてですが、山形県生涯学習文化財団は昨年6月、「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の地元支部から申し込まれた県生涯学習センターの利用申請を拒否しました。

同財団によると、利用の目的は、在特会会長の講演会開催であり、その直前の5月に、在特会が参加する東京.新大久保のヘイトスピーチデモで逮捕者が出たことなどを踏まえて「申請団体が過激、暴力的な言動を行う危険性が否定できない。センターを利用する子どもに悪影響を及ぼす恐れがある」と結論づけました。

また、大阪府門真市は今年5月、排外主義グループの市民文化会館の使用許可を取り消しました。「朝鮮の食糞文化を尊重しよう」と題する集会への公共施設貸与は「差別的」との理由からです。門真市では、表現の自由に配慮し利用申請をいったん受理したものの、市民から在日コリアンの尊厳を傷つける内容を疑問視する声が出たため、会館の指定管理者などと協議した結果、会館設置条例で利用を 制限できる「公の秩序または善良な風俗を害する恐れがある場合」などに該当すると判断しました。どうか箕面市においても、これらの自治体のように人権を守る立場で、毅然とした対応をお願いいたします。

ヘイトスピーチなどの背景について(「ヘイト暴力のピラミッド」の説明)
差別と暴力(ヘイト行為)の構造について、分かりやすいパネルをご用意しました。

このピラミッド図は、アメリカの中学や高校などで用いられているもので、マイノリティに対する暴力行為というものが突発的に始まるというものではなく、まずは最下層の悪意のない先入観が社会に浸透していることが土壌となって、偏見に基づく行為がおこなわれるようになって、さらにこのような行為が増えるうちに、制度的な差別、そしてついには暴力的行為に発生するという概念です。当初は散発的だったものが、徐々に社会全体に蔓延してしまうというものです。

これらの構造を理解したうえで、行政として何ができるのか、いや、何をしていかねばならないのか、についてひきつづき質問します。
(以上、質問はなし)(⇒③へ続く)

3点目に、このような問題に対処するための箕面市の人権施策についてお尋ねします。

昨今の在日コリアンら(在日中国人も含めて)に対する差別状況について、市として何ができると考えているか。市の見解を求めます。また、このような課題について、箕面市人権施策審議会で諮られたことがあるでしょうか、または今後、そのような考えはあるのでしょうか?

<答弁>
市の人権施策について、ご答弁いたします。

在日コリアンなどに対する差別に対しては、歴史的な経過などの無知による偏見が差別意識を生み出していること、また、単に相手を知らないといった面があるとも認識しており、今後も、広報紙「もみじだより」はもとより、講座や講演会などを通して、正しい認識や差別の現状などを市民へ啓発するとともに、箕面市国際交流協会や関係団体が行う、イベントなどを活用し、周知していきます。

次に、箕面市人権施策審議会への諮問についてですが、人権施策審議会は、人権を尊重するまちの実現を図ることなどを設置目的としており、市の人権施策について、さまざまなご意見をいただいています。

先の「箕面市人権のまち推進基本方針」策定に向けての審議会からの答申では、在日コリアンの人権課題として、歴史的背景の理解が不十分なことから生じる偏見と差別や年金などの制度的課題があることをあげられています。

以上でございます。

●再質問
2011年1月に出された箕面市人権施策審議会の答申を基に箕面市人権のまち推進基本方針が作成されました。この中には、具体的にヘイトスピーチに関するものは、なかったと思いますが、その後の審議会でこれを問題視する議論がなされたと記憶しています。先の答申時と今日とでは、情勢が進んでいるため、再度、具体的に諮問していただければと思いますが、いかがでしょうか。

<答弁>
ヘイトスピーチに関する人権施策審議会への諮問について、ご答弁いたします。

まず、審議会でのヘイトスピーチに関する委員の発言は、平成25年3月に開催された審議会において、子育てに関する意見交換の際に、ヘイトスピーチの問題に関しての意見が出たものです。

人権施策審議会への諮問については、先の人権のまち推進基本方針の策定にあったて、人権施策審議会から、在日コリアンの人権課題として、歴史的背景の理解が不十分なことから生じる偏見と差別があるとの答申をいただいています。ヘイトスピーチは、理解が不十分なことによる偏見が根底にあると認識しており、当面は、この答申に基づき策定した人権のまち推進基本方針を基本に講座やイベントなどでの啓発を進めたいと考えており、現時点において個別案件を諮問する考えはありません。

以上でございます。

さきほどのご答弁の中で、在日コリアンの人権課題として、歴史的背景の理解が不十分なことから生じる偏見と差別があり、ヘイトスピーチは、この理解が不十分なことによる偏見が根底にあると認識しており、啓発を続けるとのご答弁でしたので、是非、熱意をもってしっかり取り組んでいただきたいと願います。

ただ、差別意識は、「差別はよくない」といっただけでは、根本的になくなるものではありません。先入観や誤った歴史観が偏見へと繋がります。そのような積み重ねや認識が差別意識に発展する場合があるのです。

「正しい歴史認識と併せた啓発」というものが必要で、市もそれは認識していただいておるというご答弁をいただきましたが、具体的にどのような取り組みをお考えでしょうか。

また、国への要望なども含めて見解を求めます。

<答弁>
正しい歴史認識と併せた啓発の取組みについて、ご答弁いたします。

本市では、これまでも箕面市人権啓発推進協議会や国際交流協会などとともに、在日コリアンや在日外国人の人権課題の解決に向けた取組みを進めていますが、今後とも引き続いて各種講座やイベントなどを通じた啓発により、歴史や文化の理解が進むよう取り組んでいきます。

次に、国への要望についてですが、在日外国人等に対する人権侵害については、大阪府市長会から、国に対して実効性のある法制度の早期確立を働きかけるよう要望しています。

以上でございます。

さらに、共生のまちづくりに向けて、お互いを理解することと、そのような場を多く設定していくことが大切であると考えますがが、今後の取り組みについて質問します。現在でも多文化交流センターやNPOにおいて、さまざまな取り組まれています。このような取り組みをもっと拡大させていくことも求められているでしょう。また民族的マイノリティが、さまざまな政策策定・推進の場に効果的に参画できる仕組み、教育の分野でのきめ細かい取り組みなども含めて、現状の打開に向けた検討課題をお伺いします。

<答弁>
共生のまちづくりに向けての取組みについて、ご答弁いたします。

外国人市民も日本人市民もともに地域社会の一員として、いきいきと安心して生活できるまちづくりを進めるためには、まず、お互いがそれぞれの文化や生活にふれ、違いを理解する機会を設けることが有効と考えており、多文化交流センターにおける、コムカフェの事業や多民族フェスティバルなどを実施しています。

さらに、さまざまな団体と協力して、各種講座や学習会、イベント開催などの継続的な取組みを行うとともに、行政施策を推進するために人権施策審議会における外国人市民委員の登用や国際交流協会と協力して外国人市民の参画をすすめるなど、機会の拡大に努めています。

また、学校における児童・生徒への教育の取組みでは、国際交流協会などと協働して、小・中学校で地域の外国人市民の方をゲストティーチャーとして招き、子どもたちに、お互いの文化の違いを認め合うことの大切さを学ぶ多文化共生・多文化理解に関する授業をおこなっており、今後も様々な文化や生活に触れることで、他者を理解し、併せて自らを理解する思いを育んでいきます。

以上でございます。

ご答弁ありがとうございます。

憎しみからは何も生み出されません。

また、日本は、国連人種差別撤廃委員会から、ヘイトスピーチについて勧告を受けています。

  1. 集会の場における人種差別的暴力や憎悪の煽動、また憎悪や人種差別の表明について毅然とした対処を実施する
  2. インターネットを含むメディアにおけるヘイトスピーチの根絶のため適切な対策を講じる
  3. 調査を行い、適切な場合には、そのような言動の責任の所在する組織及び個人を起訴する
  4. ヘイトスピーチの発信及び憎悪への煽動を行う公人及び政治家について、適切な制裁措置を実行する
  5. 人種差別的ヘイトスピーチの根本的原因についての取り組みを行い、人種差別に繋がる偏見を根絶し、国家・人種・民族グループ間の相互理解や寛容、友愛の情を育むための指導・教育・文化・情報発信における方策の強化を行う。

とあります。このような勧告を受けているにも関わらず、政府の反応は鈍く、ヘイト団体と結びつきの深い政治家についても何ら対策は講じられていません。

箕面市は、市でできること、国へ求めていくべきものについて、危機感をもって対処していただきたいと思います。

大規模な災害など、極限の精神状態では、かつての関東大震災のように流言飛語があふれるかもしれません。在日外国人の人権を守るということは、私たち一人ひとりの人権を守るということでもあるわけです。

また今日のご答弁では、教育現場での取り組みについては詳細が分かりませんでしたが、子どもたちの恐怖や不安などを含めた実態調査や、子どもたちを指導する教員への啓発なども含めて、しっかり取り組んで頂きたいと要望し、一般質問を終わります。

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