2010年12月議会 討論
市民派ネット 中西とも子
◎第114号議案 箕面市廃棄物の発生・抑制、資源化、適正処理等に関する条例改正の件」に対する付帯決議(市民派ネット提案)
今回提案されている第114号議案 箕面市廃棄物の発生抑制、資源化、適正処理等に関する条例改正の件では、第13条の2において、市長及び市が委託した者以外は、第20条の規定により所定の方法で排出された缶、瓶その他の規則で定める資源物(以下 特定資源物 という)を収集し、又は運搬することが禁止される。
トラックやワゴン車等で、組織的に特定資源物を持ち去る行為に対しては、毅然たる態度で対処する必要がある。
一方で、収集、運搬によって生計をたてている路上生活者等がいることも事実である。 したがって、本条例の運用にあたっては、人道上十分に配慮するとともに、次のことに最大限努力すべきである。
一、 本条例の主旨を市民に広く周知すること。
二、 路上生活者等に対しては、人道上十分に配慮するとともに、生活再建に向けたきめ細かな相談の実施や支援を行うこと。
以上 決議する。 平成22年12月20日 箕面市議会
◎第114号議案 箕面市廃棄物の発生・抑制、資源化、適正処理に関する条例改正の件
通告外ですが、ひとこと討論に参加させていただきます。
この条例の解釈と運用について、市は事前の説明、および民生常任委員会において、路上生活などによる生活困窮者が、自らの自立のために空き缶を収集することについては、これを排除するものではなく、NPOなどの市民団体の支援を受けて実行できるという、市の見解を明らかにしています。
しかしながら、この見解はこのたびの条例改正案や規則には反映されておらず、市の職員の申し送りによるものになっています。
本来ならばこのような条例制定はない方がよいのですが、箕面市の現状では組織的かつ悪質な業者の持ち去りが横行しており、騒音や集積場の散乱による被害や、こども会や市民団体の活動資金として集めたものまで持ち去られていることがあるなど、市民の方々が大いに迷惑を被っている、という課題も受け止めなければなりません。
委員会では、生活困窮者への配慮については、複数の委員から「利益業者と一緒にそういうところが排除されないように、市の方でできるかぎり汗をかいていただくということをしっかりお願いして、賛成というふうにしたい」という意見が述べられていました。
そこで、私たち市民派ネットは、この委員会での議論をふまえ、この条例については、この本会議での採決後に路上生活者などの生活困窮者への配慮に関する付帯決議をご提案させていただく予定になっています。
また、本来ならば、このような条例は自立的な市民のまちづくりの推進には馴染まないものであると考えますが、やがて、この種の条例を必要としなくなるような、協働の街づくりを一方で推し進めるよう、議会も行政・市民とともに努力を重ねていきたいという決意を合わせて申し述べまして、この条例改正案には賛成といたします。
◎第114号議案「箕面市廃棄物の発生・抑制、資源化、適正処理に関する条例改正の件」に対する付帯決議
第114号議案「箕面市廃棄物の発生・抑制、資源化、適正処理に関する条例改正の件」に対する付帯決議に賛成の立場で討論いたします。
この付帯決議は、民生常任委員会での議論を踏まえ、提案されたものです。ですから、委員会での議論に沿ったものであること、市の見解から外れるものではないこと、をまず念押ししておきたいと思います。
委員会では、路上生活者などの生活困窮者が自立のために空き缶を収集・運搬することについて、議論され、市はNPOなどの市民団体が支援するなどで合法的に認められるという条例解釈と見解を明らかにしました。
また、複数の委員からもこの第114号議案に対する賛成意見のなかで、「生活困窮者の部分については福祉と労働の課題だという大儀はもちろん分かるが、一方でそうならない現実があるので、利益業者と一緒にそういうところが排除されないように、市にしっかりお願いをして賛成する」というような意見が述べられました。
しかし、残念ながら、市としては条例や規則、要綱には今のところ反映させず、職員の申し送りという扱いになっています。
昨今、京都や大阪をはじめ、さまざまな地域で、この種の条例制定によって、路上生活者が生活の糧としている空き缶収集が困難となるため、市民団体から条例制定に反対の声が上がっています。反貧困ネットワーク事務局長の湯浅誠さんは、「野宿者が生活の糧とする空き缶回収の禁止は時代に逆行する動き。住民と野宿者の双方が納得できる形をつくることが行政の仕事」と訴えています。
本来ならば、的確な生活・就労支援策が望まれるところですが、現状で十分な整備が行われていない以上、建前論だけで、即時的に生きる権利を切り捨てるわけにはいきません。
箕面市が条例制定を行うことは近隣市をはじめ、全国の自治体にも少なからず影響を与えることになります。そのためにも、人権を守る立場から、本市の姿勢を明確に表明しておく必要があると考えます。
失業や不安定雇用の増加で、貧困の連鎖を断ち切れず、野宿者やネットカフェ難民など生活困窮者はあとをたちません。また、家族のトラブルで家には帰れず、路上生活を余儀なくされている人たちもいます。
最後に、学校で野宿者の問題を学習した公立中学校の生徒たちの感想を一部ご紹介します。
「私はホームレスが嫌いでした。恐そうだし、近づいたら何されるかわからんし、やっぱりふつうの人とは違うと思ってた。でも今回の話を聞いて、いろんなことがわかった。勉強しないからとか、仕事したくないから、とかでは無いんだなと思った」
また、別の生徒は、
「ホームレスの人について、家族のみんなは、かかわらない方がいいとか、しゃべっちゃだめ、とかいわれていたけど、今はすごくそのことがいやです。」
あるいは、「ホームレスを余儀なくされている人たちも全然ふつうの人で「なんや、俺んちの近所のおっちゃんと変わらんやん。ただ家とお金が無いだけやん」
また「これからも大変だと思うけど、少しづつ、少しづつみんなで助けあっていけば、この社会は変わると思うことができました」という感想もありました。
さらに別の子は「野宿者の人々の人権を尊重してあげるべきだと思いました」という意見をあげ、また、
「社会全体で野宿者の人たちと向き合っていかなくてはと思う」という思いを寄せた子もいました。
これらは、ほんの一部の紹介ですが、子どもたちが、人権尊重の意味を理解し、向き合うなかで、社会をよりよいものに変えていこうとする純粋な姿勢に心を打たれました。
以上の紹介は、2年前の箕面市の公立中学の子どもたちのものです。
人権のまちづくりを進めるためにも、是非、路上生活など生活困窮者への配慮について、箕面市議会がしっかり意思表示を行うことが大切であり、大変意義のあることだと考えます。みなさまがこの付帯決議に賛成くださることを期待いたしまして、私の討論を終わります。
◎第125号議案 特定調停申し立て事件に関する調停条項案の受諾の件
「第125号議案 特定調停申し立て事件に関する調停条項案の受諾の件」について反対討論いたします。
6年前、箕面都市開発梶i以下都市開発といいます)が1995年(H7年)に購入した約1,500uの土地が不良債権化したため、箕面市は同社に対し11億1千万円の融資を行いました。
そもそも都市開発がこの土地を購入したのは、バブル経済の崩壊後でした。当時の路線価の2倍、坪単価でいうと260万円というあまりにも高い価格で12億円の土地を購入しましたが、何故、そのような土地を買うことになったのか、銀行との関係や市の関与など未だに闇につつまれたままです。
そして当時からこの土地購入の利息返済のために、市が都市開発にせっせと事業を委託してきたという経緯があります。
また過去にさかのぼって、1996年から2004年にかけて箕面都市開発の経営の不透明さや、市のチェックの甘さなどについて、たびたび議会で指摘、追求されてきました。また、箕面市立駅前第1・第2駐車場の管理運営について市が都市開発に業務委託し、都市開発が下請けに丸投げした差額約4000万円以上を丸儲けしている、と市民からの批判も受けてきたところです。
そんななか、2004年に、同社に対する11億1千万円の融資が突然、議会に提案されました。市は「都市開発が破綻すれば影響が大きい」「今後第三セクターたるまちづくり会社として新たな事業展開が可能」、「経営を圧迫する借入金負担を軽減し、今後の経営の安定化を図る」などと理由をつけ、議会も激論のすえ多数決で都市開発への支援を承認しました。
また、「都市開発は体制を整備し、人件費の削減、会計事務の効率化など、人事、財務面の改革などを精力的に取り組んでいる」という具合に、当時の倉田哲郎政策総括監は評価しておられました。
以上は、このたびの都市開発を破綻させない理由とまったく同じです。
そして私は2005年から一貫して、都市開発の会計報告の詳細情報について公開するよう求め、かつ市に対しては同社に対するチェック体制を追及してきました。しかし、市は都市開発と常に蜜月状態にあり、馴れ合いは改善されないままでした。
このような背景のなかで、突如、本年9月17日に都市開発側から特定調停の申し立てが市に一方的に告げられました。出資法人担当職員もまったくその傾向すら、気づかなかった、という説明でしたが、市長は市の重要事項であるにもかかわらず、政策決定会議にはかることもなく、特定調停申し立ての受け入れを即日決定し、委員会のさなかに、プレス発表を行うために豊中市へと向かいました。
特定調停とは、債務者が債権者に対し、債務の軽減を交渉するものです。つまり債務者会社を破産させずに、債権者は何とか損を最小限に抑えるという立場で臨むのが一般的です。裁判所は、甲乙間のすり合わせを見届け、双方の合意ができれば、確認のうえお墨付きを与える、というものです。今回、特定調停の申し立てに応じた時点で、すでに、このたびの調停条項案に至るストーリーが始まっていたといえます。
先にも述べましたが、6年前、破綻寸前の都市開発に市は11億1千万円を年0.5%という低金利で、30年かけて毎年約2200万円+金利約500万円を返済するという融資を行いました。
しかしわずか6年で、都市開発はふたたび破産寸前となってしまいました。そして、またしても同社を救済するために検討された今度の調停案は、債務超過に陥っている都市開発が身軽になるよう、いわゆる返済額の中抜きをはかるものでした。
市が5億2千万円で都市開発の株を買い、そのお金で都市開発は箕面市に繰り上げ返済するというものです。現在約9億7千万円の債務が残っていますから、5億2千万円を返済したことにすると残りは4億5千万円。この残金の返済は19年かけて毎年1000万円づつ返し、残りの3億円の返済には最終年の2029年(H41年)に都市開発の1,500uの土地(この土地は2億7千万円に目減りした鑑定評価になっていますが)この土地と現金3千万円を充てる、という計画です。
そして、その翌年から、また1千万円づつ52年かけて5億2千万円の株券を買い戻す、といものです。しかし、19年後に箕面市に土地を渡したら、また都市開発の経営が成り立たなくなる、ということになるのではないでしょうか。
いずれにせよ、19年後はおろか、全額返済が完了する予定の71年後のことなど、一体誰が責任をもって見届けることができるというのでしょうか。これは、実質的には5億2千万円の借金棒引きといえるでしょう。また、19年後の3億円の返済すら怪しく、下手をすると、1億9千万円しか返済されないかも知れない。いや、それさえ確実だとは誰もいえないでしょう。こんな現実離れした返済計画を、市民は納得するでしょうか。
市は伝家の宝刀のごとく「裁判所が決めた調停案だ」と言います。しかし、正確には、都市開発の存続ありきで編み出した苦肉の策というべき返済計画になっています。このような返済計画しか実効性がないということは、いかに都市開発の能力が乏しいかを物語っています。
なお、この調停案は、債務者・債権者双方が納得した都市開発の提案について、最終的に裁判所が「弁済計画の増減もありうる」という条項を追加させた、というものです。
裁判所としては、甲乙双方が「都市開発の存続ありき」で合意しているため、調停案には次のように記されています。「調停委員会は・・・一定の役割が期待されることについては、相手方も認めていること」さらに「弁済計画が策定され、相手方がこれに応じる余地があるというのであれば・・・申立人の事業の再生継続を図るため、その内容に即した合意が形成されることには相応の意義があるものと考えるに至った」という具合に、まぁお互いが納得しているならそうしましょうか?といった様子が文面から伺えます。
そして末尾には「相手方が調停案を受諾する意思を決定することは必ずしも容易なことではないことがうかがえないではないが」という言い回しで、債権者である市にとっては相当な悪条件であることも示唆しています。
債権者はリスクを最小限におさえるべく、できるかぎり確実に短期間で回収できる方法を選択すべきです。都市開発の1500uの土地は、現在、企業と賃貸契約しています。賃貸料は年2100万円。20年契約を交わしており、都市開発いわく、設備投資の原価償却を考えれば、20年後も長期の継続がかなり期待できるとのことであるので、代物弁済予約をしている箕面市がこの土地を引き継ぎ、仮に30年間の賃借契約を行えば、@2100万円×30年=6億3千万円の収益があり、さらに2億7千万円の土地も残る。これで約9億円の回収が可能となります。
市は箕面市の土地になれば、固定資産税分の約500万円の年次収入が無くなるといいますが、5億2千万円の繰上げ返済を行うことで箕面市が得られなくなった利息分、及び無利子で5億2千万円の投資を70年間行うことを考えれば、市の損出は毎年同額程度と考えられます。現在の都市開発からの返済額、年2200万円+利息分500万円、これの残りの返済期間24年間分が、毎年1000万円×19年間と減額になるわけです。
なお、市は都市開発の存続がまちづくりに欠かせないとの見解ですが、果たしてそうでしょうか。過去にさかのぼって同じ説明が繰り返されてきましたが、問題の先送りをするのではなく、すでに存在価値が薄れている第三セクターの評価を冷静に行うべきです。
都市開発は2006年にかやの中央・かやの広場の指定管理の公募に落選し、2009年には箕面市立駅前第1・第2駐車場の指定管理にも落選しました。そして今年、ふたたびかやの中央・かやの広場の指定管理に落選したのです。このことは客観的に、冷静に評価しなくてはならないと思います。
なお今年、文化交流センターの指定管理については都市開発が選定されましたが、私は開示請求をおこなって選定に関する資料を入手し、チェックしたところ、審査は都市開発に甘く、もう1社にはかなりの辛口の採点を行っていたことが分かりました。
また文教常任委員会の議論では、「木曜日の定休日を返上し、無休で営業することで市民サービスの向上に努める」という都市開発の特別提案が評価の対象となっていましたが、これは収益アップが160万円に対し、人件費増250万円や光熱費の増加分50万円を加えて、差し引き140万円の赤字となっています。
このような赤字事業が提案として評価されるとは、まったく無能な企画力であり出鱈目な選考といえます。さらに別の特別提案では、限りあるスペースの有効活用と称して、「3階の多世代交流スペース(現多世代交流スペース)を貸し部屋として運営します」という提案をしていますが、「事業計画書7」においては、「多世代の市民の交流に関する事業計画」として「3階の事務所予定地は、すべて多世代交流スペースとして確保します」というまったく矛盾する提案内容になっています。都市開発がどこまで真面目に計画書を作成したのか分かりませんが、評価するほうも、まともに計画書を読んだのかと呆れてしまいます。
さらに別の特別提案として「施設修繕費の一部会社負担」という項目があり、「施設修繕費については、制度上、指定管理者が負担すべきものではありませんが、1件あたり100万円までの施設修繕費については、当社で負担します。これにより、管理者の管理費のリスクを最大限減らすためには、10年間の指定管理期間が必要です」と記されています。どこをどのように修繕するのか、提案は一切書かれていません。そのほか、挙げればきりがありません。まともに評価すればもう1社の方がまっとうな提案になっています。最初から都市開発の選定ありきであったことが伺え、公平・公正な選定ではなかったといえます。
何度も申しますが、都市開発の存続ありきではなく、もはや都市開発が力量的に限界であることを認識すべきです。一旦清算し、不動産部門を切り分けて、少人数で別の会社を立ち上げるなどを検討した方がまだ現実的であると考えます。
以上、私は市民にとって箕面都市開発鰍存続させることが最善の策とは思えません。財政が厳しいと言われるなかで、「緊急プラン・ゼロ思案」が提案され、福祉や社会保障部門も情け容赦なく削減されているという現実があります。
都市開発は真摯な反省を行っておらず、市もこれまでの都市開発の経営をきちんと総括できていないなかで、今回の調停案に臨んでいることが、そもそも間違いの元であると考えています。
このたび、私は多くの市民の方々から、この調停案についてご意見を伺いました。みなさん、異口同音に「会社はもう清算すべきだ」「こんな決着の仕方は、自分のお金ではないからできるのだ」「誰も責任を負わず、無責任だ」「こんなことが許されるなら、税金を払いたくない」など、怒りと落胆とあきれ返った思いがいり混じった様子で、感想を述べられていました。
議会も問われています。議会は決意をもって、チェック機能を果たさなくてはなりません。市民の税金を無駄遣いしないために決断が求められています。
良識ある決断を箕面市議会のみなさまに心から呼びかけまして、私の反対討論といたします。
◎第126号議案 平成22年度箕面市一般会計補正予算(第6号)
市民派ネットの中西智子です。
第126号議案 「平成22年度箕面市一般会計補正予算」(第6号)について、反対の意思表明をおこないます。
この補正予算は、箕面都市開発鰍ェ申し立てた特定調停条項案の受諾にかかる、箕面都市開発鰍ヨの5億2千万円の投資と、その投資を原資として同社が箕面市に対して有していた債務残高9億7千万円のうち、5億2千万円を一括返済する、というものです。
私は、さきほど第125号議案について討論しましたとおり、特定調停案の受諾につきましては反対ですので、同じ理由から、本補正予算についても反対といたします。
以上、簡単ですが、討論といたします。
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