2010年6月議会 一般質問

●一般質問

市民派ネット 中西とも子

◎ 物品購入等に関するチェック体制について

まず1項目めは、物品購入等に関するチェック体制についてです。

市民から預かっている大切な税金が適切に使われ、無駄に使われることのないよう、事業契約の執行に当たっては厳しいチェックが必要であることは言うまでもありません。工事や物品購入、委託などの契約に際しては、透明性、公開性が担保されねばならず、その意味では、ようやくことし6月から、委託業務や物品契約について、金額にかかわらず入札結果が市のホームページ上で公開されるようになったことは、大いに評価したいと考えます。

また、入札については、公平・公正な競争原理を活用するとともに、一方で適正な設計価格の設定と総合評価入札を行い、かつ最低制限価格を設定して低入札価格調査を実施することで、受託業者の従事者の賃金水準が適正であるかどうかという不良適格業者の排除に向けた対応策も重要であると考えます。

さて、高額な工事や物品購入については、議会で承認が求められます。我々は、予算の承認時においては、入札前であることから積算価格を知ることができず、また、入札後の契約締結時においても選定した業者が提出した価格の内訳が妥当なものであるかどうか、精査できる条件が整っていない中で、予算の枠内で落札した業者との契約行為を、いわゆる事後承諾というような形で認めるか否かの判断を迫られるわけです。

一般常識に照らして、透明性があり、公平・公正な物品購入や委託契約について、議会がしっかり精査できるような体制づくりが必要であると考えます。とりわけこの一般質問では、具体的な明細について、実際にどのように精査され、適切な価格調査、交渉がなされているのか、入札前後の公開性がどの程度進んだかという視点を中心に質問いたします。

この6月議会では、消防車両の物品契約締結について、第51号議案から第53号議案が提案され、本会議第1日目に即決案件として議決されました。消防車両の更新について否定するものではありませんが、契約の中身が適切であるのか否かについて議会に判断を求められても、現実的には議会はチェックしづらい状況となっています。このたび同議案が議会に送付され、原部からの議案説明時に詳細資料を求めたところ、資料の提出については手配をしていただきましたが、仕様書や落札業者の明細書を含むすべての資料を提供いただいたのは、本会議即決後、委員会直前というタイミングだったため、この一般質問において質問を行うものです。

さて、当市における物品購入の流れは、今回の場合、次のようになっています。
第1段階として、原課による業者見積もりの比較検討が行われ、仕様書が作成されます。そして第2段階として、財政課による予算査定を経て、第3段階の支出負担行為、物品施行伺いという事務処理を経由する中で、部門内での供覧、決裁が行われます。次に、業者を選定する段階となり、契約検査課に契約依頼が回ります。今回の場合、取扱業者が非常に限定されているとのことで、指名競争入札のための指定業者が選定され、庁内の審査会で決定されます。そして、契約検査課による庁内への物品契約伺いの後、入札行為に至ります。落札後、議会承認を経て契約締結報告を行い、契約が成立し、結果が原部のもとへ届きます。

この流れからいくと、見積もりや明細のチェックが行えるのは、原課が行う協力メーカーによる事前見積もりを検討するときと、設計価格を精査する財政課、そして部門内の供覧、決裁時がすべてであるということになります。契約検査課においては、業者をどこに選定するのかということが業務になっているため、この段階では積算価格などのチェックが行われないということになっています。

ちなみに、審査会のメンバーは、副市長、市民部長、総務部長、教育推進部長、みどりまちづくり部長、水道局長です。

さて、入札が行われ、契約に至るわけですが、この契約締結時には明細のチェックは行われないのはなぜでしょうか。また、今回の消防車両の購入に関しては、原課、財政課、部局内の三重のチェックが行われたわけですが、契約後に入札業者が提出した明細書のチェックはどこでどのようになされるのでしょうか。

つまり、協力業者による事前見積もりは、いわば参考価格のようなものであると考えられるため、精いっぱいの価格ではないと思われます。入札時には、各社ぎりぎりの価格提案を行ってくると思われるのですが、このときの入札価格は合計価格だけが提示されるので、明細については不明です。仕様書のとおりのものを納品するという前提で合計価格が積算されていると思うのですが、その仕様書どおりのものがそれぞれ幾らなのか、内容的に妥当か否かについて精査できる機会がないということは、やはり不合理ではないのかと考えます。合計金額さえ見合っていたらよしとするやり方でよいのでしょうか。

さて、発注内容についてですが、具体的には仕様書がベースになっていますが、今回の消防車両、小型ポンプつき消防自動車CD−T型については、仕様書の中に、例えばシャーシ附属品としてタイヤチェーン、ジャッキ、ブースターケーブル、非常用停止表示板、標準工具などが記載されていますが、これらは更新車両においても更新されねばならないのでしょうか。仕様書作成の段階で、更新前の車両の附属品を流用できるものがなかったのか検討されたのでしょうか。細かい話ではありますが、姿勢として検討されたのかどうか確認しておきたいと思います。

さらに、更新時期についてですが、救急車は走行距離が10万キロ、消防車は12年から15年で更新が計画されているとのことです。緊急車両の安全性能が一番であることは、もちろん言うまでもありませんが、日々のメンテナンスには十分施していただいてると思いますが、今後、NOX規制による更新後には、走行距離や使用年数はあくまで目安として、実際の車両の疲労状況に応じて更新時期を最終決定するべきではないでしょうか。年次計画どおりに機械的に更新するというのでは不合理かと考えますが、いかがでしょうか。

最後に、今後の課題について質問します。

今回の契約の成果をきちんと評価して、次回以降の業者選定に役立てていくべきではないかと考えます。予算編成から業者の選定、契約の締結に至るまで、実に多くの過程で決裁があり、おびただしい事務処理を経て、公平・公正に物品購入における契約が行われていることとは思いますが、契約内容について、より執着心を持って次回の契約に生かしていただきたいと願うものです。

また、我々議会が精査できるように、入札後に積算価格を公開していただけないでしょうか。この件は、2年前にも私の一般質問においてただしましたところ、検討していくとの答弁をいただいていたものです。積算価格を公開することで、契約行為に関する透明性、公正性にかける市の姿勢を示すことにもつながると思います。物品購入に関する合理的な精査も進むと思うのですが、いかがでしょう。見解を求めます。


以上、これからの物品契約のあり方、チェック体制のあり方を問うものです。

箕面都市開発株式会社の経営悪化に伴う市の責任と今後について

 2項目めに、箕面都市開発株式会社の経営悪化に伴う市の責任と今後についてを質問いたします。

先日、18日の第2回定例会で、報告第16号「箕面都市開発株式会社経営状況報告の件」について質疑を行いましたが、市の答弁は余りに誠意がなく、事前に質問原稿を提出していたにもかかわらず、質問項目にまともにお答えいただけませんでした。この間の同社の経営把握や今後の再生計画が大変重要な課題であるにもかかわらず、ご答弁の内容から、箕面都市開発株式会社の定期総会においては議論もなく、いわゆるしゃんしゃん総会であったことが明確になりました。総会には、担当課より倉田市長が出席されたと伺っていましたが、市は68.38%の株を保有する筆頭株主として質疑すら行わず、事業報告ほかの議決内容を承認したのですから、事業報告の内容についてしっかりとお答えいただけなかったのはなぜなのか、極めて遺憾であり、余りにも無責任な対応に憤りを感じていることを最初に表明しておきます。

さて、市はこの間の箕面都市開発株式会社の経営悪化についての要因をどのように考えておられるのでしょうか。また、箕面都市開発株式会社について、前年度までは管財及び地域振興課、道路課などが所管でしたが、今年度からは新たに出資法人支援担当が置かれました。出資法人とは、具体的に箕面都市開発株式会社のことであるというふうに伺っていますが、所管課とこの出資法人支援担当副部長との立ち位置はどのようになるのでしょうか。
なお、この担当副部長は、こども部との兼務となっており、畑違いの部署で二足のわらじを履くことになります。従来の管財担当では、箕面都市開発株式会社の管理、支援等を行えないと判断した理由は何なのでしょうか。

次に、情報公開・提供が著しく後退している市の姿勢について質問いたします。
2月議会の総務常任委員会において、市は同社の再建計画について、6月議会で議論できるように提示すると答弁していましたが、6月議会では提示されず、なぜ提示されなかったのか、説明責任も果たされていません。同社を支援するという職責にある担当副部長にも、再三にわたり、現在検討されているであろう再建計画案を教えてほしいとお尋ねしましたが、一貫して、情報は持ち合わせていない、知らない、わからないとの回答に終始していました。

しかし、箕面都市開発株式会社連絡会議決定報告書によりますと、本年2月18日に副市長より返済金額の見直しについての回答があり、3月8日に箕面都市開発株式会社の見解が文書で示され、「箕面都市開発株式会社の経営再生計画策定について(要約版)」と「箕面都市開発株式会社の再生計画策定について」の2種類の書面が資料として市長政策室長あてに提出されていることが明らかになっています。何ゆえにこのように情報を隠ぺいし、虚偽の説明を行っていたのでしょうか。

仮に、法人支援担当副部長が本当にご存じなかったのだとすれば、庁内の情報提供共有がなされていないということにもなりますし、それはそれで大きな問題でしょう。市は、これまでも箕面都市開発株式会社の経営情報の把握に関する肝心なテーマについては、法人のことなのでと積極的関与については消極的な発言を繰り返すばかりでしたが、箕面都市開発株式会社のホームページ上において、2009年に「今後の対応については主要株主である箕面市と協議を進めます」と明示してありました。箕面都市開発と箕面市がどのような協議を行っているか、なぜ隠す必要があるのか理解に苦しみます。速やかな情報提供が行えない理由について説明を求めます。

当然ながら、同社に対して、市には筆頭株主としての権利があり、11億円の融資を行った債権者であり、市民の税金を投資した責任があり、行政としての社会的信頼にこたえなければならない立場にあります。私は、これまでも同社の低迷する仕事ぶりを案じ、もっと精力的で生産的な活動を促し、市が責任を持って関与するように促してきましたが、市はとてものんびりした対応に終始し、通常の民間会社では考えられない仕事ぶりについて、驚くべき寛容な態度で対応してきました。改めて同社の現状について市がどのように総括し、今後の再建に向けたビジョンを検討しているかを、質問します。

以上、理事者の真摯なご答弁をお願いしまして、私の一般質問を終わります。

再質問

ただいまのご答弁に対して再質問を行います。

1項目めの物品購入等に関するチェック体制については、契約後の入札業者の明細書チェックを徹底していただきたいと思います。また、積算価格の公表については、情報公開条例に抵触しない限り公開すべきものであるという考え方を示していただいたことについて、大いに評価したいと考えます。今後、入札事務の円滑な執行に著しい支障が生じない限り、前向きに公開していただきますよう期待をいたします。


さて、2項目めの箕面都市開発株式会社の経営悪化に伴う市の責任と今後について、再質問いたします。残念ながら、私の質問に対し、お答えいただけてない部分が多々ありましたので、改めて質問いたします。

まず、箕面都市開発株式会社の経営悪化の要因と総括についてですが、なぜ市立駅前駐車場の指定管理者の失注に至ったのか、その原因がどこにあるのかをお答えください。同社と定例会議を開き、経営状況の把握や今後の方向性などの協議、調整を行ってきたとのご答弁でしたが、市立かやの広場・かやの中央駐車場の指定管理者失注から今日に至るまで、市はどのように同社と連携を行ってきたのでしょうか。市の反省点は全くないのでしょうか。

また、同社の経営状況の把握を行ってきたはずの箕面市であるのに、8月18日の第2回定例会において報告された経営状況の説明を求める質問に対して、お答えいただけなかったのはなぜでしょうか。常々原課には、箕面都市開発株式会社の個別の事業別報告について説明を求めてきましたが、常に、わからない、知らないというお返事でした。他の出資法人の決算書においては、事業別の成果がわかる丁寧な報告が行われているのに対し、箕面都市開発株式会社のものは大ざっぱで内容がさっぱりわかりません。説明を求めても答えられない程度の経営状況の把握とは、一体何でしょうか。

さらに、市は、さきの株主総会において事業報告を承認されましたが、例えば人材の採用、育成という項目においては、当該社員は既に退職されており、事業としては成就していません。サンプラザの管理受託業務に至っては不良債権が多発しており、平成11年から管理費等が滞納となり、未回収となっているものがあります。これについても、ここ二、三年のものという行政の事前説明とも食い違っています。箕面都市開発の説明がいいかげんなのか、市のチェックが甘いのか、市が恣意的に事実を公表しないのか、それはわかりませんが、余りにもいいかげんなこのような把握の仕方は今後も続けられるのでしょうか、お答えください。

また、同社の経営再生計画についてですが、意思形成過程の情報について公開できないとする市の姿勢には全く納得できません。箕面都市開発株式会社の考え方、箕面市の考え方、それぞれを示す中で、議会もともに議論や前向きな提案が行えるのではないでしょうか。決定した事柄のみを認めなさいというようなことにも受け取れるような市の姿勢は、情報公開、情報提供を後退させるものであると思われます。少なくとも、6月議会で示すというふうにされていた再生計画がなぜ予定どおり示せないのか、行政には説明責任があると考えますが、いかがでしょうか。

さらに、本当は存在するこの計画を、この間、ない、知らないと説明してきたのは何ゆえでしょうかという点もあわせてお答えください。

なお、同社の借入金の返済水準見直しについては、市としてはどのようにお考えでしょうか。今年度の市長の施政方針に対する代表質問において、市長は返済額の見直しについては考えていない旨の答弁を行っておられたと思うのですが、今改めて市のお考えを確認したいと思います。

以上、再質問といたします。よろしくお願いいたします。


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