2008年2月議会 一般質問

■一般質問

市民派ネット 中西とも子

◎箕面まつりの方向性について

毎年、夏祭りとして箕面まつりが開催されている。暑いさなかに市の職員や市民がボランティアで当日の運営にあたられたり、商店や各種団体からの協賛金など、多くの方々のご協力やご苦労に対し、心から敬意を表したい。

箕面まつりは市が補助金2,500万円を支出し、協賛金や出店負担金ほかで運営・開催されている。

2006年10月の決算委員会において、「基金」と呼ばれる箕面まつり推進協議会で保有していた別会計のお金の存在が明らかになった。当時の委員会審議のなかで「基金」にかんする精査については理事者の指示により、後日報告されることになった。

箕面まつりのこれまでの20数年間の流れのなかで、さまざまな経緯があったことは承知している。そのこともふまえて、私はこれまで箕面まつりのあり方や問題点、今後の課題について提起をおこなってきたが、市の厳しい財政状況下であるということも踏まえたなかで、2008年度の予算のなかに、それらがどのように反映されているのかを問うものである。

私はこれまで箕面まつりについて、「まちづくり」「財政改革」「適切な補助金運営」の視点から質疑・提案をおこなってきた。

2007年度以降は組織体制を含め、見直しがかかり、補助金予算は約17%削減され、3,000万円から2,500万円となった。このとき担当課に対し「この金額ではまだまだ削減が足りないのではないか」と質問したところ「一挙に削減するのは難しいため、激変緩和措置として順次削減していく」とのことであった。ならば、箕面まつり協議会主導でおこなわれるの改革と刷新策をおおいに期待して見守ってきたところである。

しかし、2008年度予算は2007年度と同額の2,500万円が計上されている。2007年度は国政選挙の投票日と重なり、市のボランティアスタッフが例年並みに参加できないこともあって警備費用が嵩んだと聞いている。その分を差し引くだけでも今年度予算をもう少し削減できるのではないか。財政が厳しい折、各部署においても苦渋の削減策を打ち出している。命にかかわる事業については、削減の余地はないものと思われるが、市民まつりは身の丈にあったものを創意と工夫でより良いまつりにすることが可能である。2007年度はどのような改革・工夫がなされたのか?また2008年度はさらにどんな工夫を検討しているのか?湯水のように財源ある時代ではないことをいかに自覚されているのか?箕面まつり協議会はこれまで商工会議所さんが尽力され、協議会を牽引してこられた。商いのプロ集団であるので、アイデアや経営手腕をおおいの発揮していただきたいし、ライオンズクラブ、大阪船場繊維卸商団地協同組合さんをはじめ、市の外郭団体もすべて参加して協議会を形成している。これら参加団体からのノウハウを生かすならば、きっと、もっと少ない予算であっても良いまつり運営が実現できるであろう。

そこで2008年度予算について気に係る問題がある。ときめき広場での出店数が安全上、削減しなければならないと箕面警察から指導があったと聞く。そのために2008年度は出店数を減らして、出店料を1万円から2万円に値上げするという。この値上げの根拠は何か?また、出店料の100%値上げは参加市民にとっては大きな痛手となろう。出店を制限するための経済的手法は賛成しかねる。抽選などの公平な手続きにするべきだと考えるが、いかがか?また、売り上げが相当額を上まわる参加者については、その売り上げ額に応じてまつり協賛金という形で協力いただくこともあり得るのではないか?市民まつりは営利目的ではないはず。高額な出店料は多額の販売利益が得られる企画しかできないことになる。

また、箕面まつり実行委員会には若者や女性が参加できるよう、再三要望してきたが、どのように実現されたか?やはり市民のまつりには若い世代の視点が欠かせず、老若男女が集えるものにするためには、もっと女性スタッフの視点も必要である。2007年度は実行委員会に若いスタッフ、女性スタッフはどれくらい増やしたか?また2008年度はどのように考えているか?

さらに、市民まつりは環境面も十分に検討されるべきである。参加団体(者)にはリサイクルトレー等の利用を義務付けるべきである。このようなまつりの場で率先して環境に取り組むことは絶好の機会である。是非、実施してもらいたいが、いかがか?

まつりの後のごみは悲惨なものがある。被昇天学園の生徒さんたちが毎年、分別にボランティアをしていただいているにもかかわらず、ときめき広場の会場となる芦原公園は、翌朝の公園は池も含めてごみが散乱している。ごみを放置しないよう啓発活動にもっと人員増や工夫を検討していただきたいと思うがいかがか?このように市民がたくさん集まる機会にこそ、環境教育を実践すべきである。担当課の支援も借りて、箕面のごみ問題を考えるよい機会としてイベントも含め考えてほしいと思うがいかがか?

さらに補助金のありかたという観点から質問する。

箕面まつり推進協議会では、これまで収入が収支を上回ったときは「繰越金」として次年度に計上してきており、それでも補助金はほぼ満額支給されてきた。2007年度の収支決算見込みにおいても、収入金額合計41,413,636円に対し、収支見込額は38,958,413円となっており2,455,233円の繰越額(余剰金)が発生している。そのうえ、「基金」とされるこれまでプールしてきたお金がまだ約3,000万円近く残っている。箕面市はまだ、それでも満額の補助金を助成する考えか?また、このような箕面まつり推進協議会の財政状況でありながら、2008年度の補助金を前年度予算の100%予算の執行としていくのか?

◎デートDVの防止策について

近頃デートDVの問題がマスコミでも再三とりあげられ、また年々若年齢化し、深刻な社会問題となっている。相手を思い通りに動かしたり、相手の人格や意見を尊重しないで、自分の考えや価値観を一方的に押しつけたりする「力と支配の関係」が根底にある。

デートDVとは、若い世代の恋人間の暴力のこと。暴力の種類は様々で、身体的暴力はもちろん、精神的暴力や性的暴力もあり、身近でも起こり得る問題である。

しかし、現行のDV防止法では対象が夫やパートナーに規定しているため、法適用がなされず、対策が難しい。そのため、現状では自治体での取り組みが重要となってくる。

2007年11月、内閣府ははじめて全国規模のデートDVの調査を発表した。箕面市はこの調査結果をご覧になったか?調査では10〜20歳代で、身体的、心理的、性的暴力を受けたことのある女性は13.5%、20歳代に限ると22.8%にも上った。命の危険を感じたことがある人も20人に1人いる。「いつも気を使わされる」被害は女性で25.4%、男性で42.2%であるが、「行動を制限される」については女性が24.6%、男性で18.8%が受けていた。女性の12.3%が「避妊に協力してくれない」と答えた。

内閣府では今後「若い世代に向けた予防啓発に努めたい」としているが、市はこの調査結果をどのように捉えているか?デートDVは1人で悩む被害者も多いとされている。また、相談したり、打ち明けたりする相手の半数以上が友人であるが、被害者と同年代の友人が相談を打ち明けられても、問題解決に対処できず、被害者とともに悩むのが実態とされる。

なぜ問題が起きるのか、市はその実態把握をおこなっているのか?また対策についての検討はなされているのか?市がおこなっている相談のなかでDV相談の比率が高いが、そのなかでデートDVの相談件数や推移はどのようになっているか?

デートDVについては、結婚もしていないのに、なぜ逃げられないのか?と当事者以外からこのような疑問が投げかけられることがしばしばある。「彼が加害者だと認めたくない、暴力を受ける自分が悪い、それが愛なのだと思い込む被害者が多く、自分が受けている暴力が理不尽だと気付きにくい」とフェミニストカウンセラーは分析する。

被害者の心理状態について、支配的な彼に対する依存から彼への服従の証しとしてそれ以外の人間関係を絶ち、孤立無援になる、そしてさらに気まぐれに爆発する彼に対して常にびくびくし、何をしても無駄という無力感に至る。この恐怖の前に「偽りの和解期」があるため、恐怖と懐柔の間を揺れ動き、心理的エネルギーを消耗する、という経緯をたどる、とされている。その結果、うつや自殺願望、パニック発作など精神的、身体的症状が出る場合もある。このサイクルは一般的なDVと同じだが、デートDVの場合はさらに思春期・青年期の特徴的な心理や性意識・行動なども影響しているとも指摘されている。

このような事態の背景には、家庭なら児童虐待、学校ではいじめ、職場ではセクハラ、パワハラ、リストラなど、力を持って相手を支配するという構図が社会にあふれていることがある。このような環境で育つと、力を持つ人は他を押さえつけることに疑問を持たなくなるといわれている。

また、フェミニストカウンセラーは、「被害者は男性もいるが、大半は若い女性。そこで重要なのが「ジェンダーバイアス(社会的性別による偏見)」であると指摘する。男はこうあるべき、女はこうあるべき、という偏った価値観のまま成長すると、男女関係に力の差が生じ、対等ではなく上下、主従になる、と述べている。

国・府の動き(略)

箕面市の動き

「第4次箕面市総合計画」の基本目標のひとつである「いきいきとした暮らし」の章では人権尊重を基軸とした多様な価値観や多文化が共生する地域社会を形成するため、男女協働参画社会に向けた環境づくりが掲げられている。そして、第3期男女協働参画推進計画の推進から第4期推進計画へと引き継がれた。第4期推進計画のなかでは、「女性に対する暴力は、個人的な問題ではなく、社会的・構造的な問題としてとらえ、安全・安心のまちづくりを進めるとともにその防止に向けて取り組む必要があります」と明記されている。そのうえで基本課題として「女性に対する暴力の根絶」や「人権としてのセクシャリティの尊重」「防止に向けての取り組みや対応」などが掲げられている。計画作成当初においては具体的に「デートDV」という呼称が一般化しておらず、特に文言としては記述されていないが、DV対策のひとつとして位置づけていかねばならい課題である。男女協働参画課、生涯学習センター、学校教育課、人権教育課、職員課などなど地域、家庭、学校などのさまざまな場所でデートDV防止に向けた啓発や対策、相談体制や暴力を受けた当事者への支援体制や諸機関との連携などが必要になってくると思われるが、これらをどのように受け止め、考えるか?

デートDV防止対策のひとつとして、とくに教育関係者の理解は不可欠である。

ジェンダー学を指導する沼崎一郎・東北大大学院教授(男性学)は「異性の友達が増え、友達関係との差別化のため『恋愛関係では束縛できる』と考える傾向は男女とも強い」と、最近の関係を分析している。その上で、行動を制限したり避妊をしないなどの行為については「恋愛上の『相互束縛』とは区別して考えた方がいい。こうした行為こそ本物のデートDV。見逃すと、傷害やストーカー殺人に発展する恐れさえある。」と警告している。

学校内(中学)での相談や報告はどのようになっているか?また今は表面化していなくとも、何かあってからでは遅い。すでに他市で取り組んでいるところもある。デートDV対策は高校過程に任せる、という声もあるかもしれないが、高校生になってからの啓発ではすでに遅すぎるのではないか。対等な人間関係を築き、セクシャリティの大切さを自覚し、自分の気持ちを相手に伝えられる力、表現力を身につけることができるよう生徒指導にあたるべきであり、そのような適切な指導ができる人材の育成が重要である。被害者も加害者も生まないために、予防教育が急務である。教育現場が正しい知識を身につけられるよう、適切な措置が欠かせないと思うが、どのように考えるか?

また、箕面市のDV対応マニュアルにデートDV対応も追記すべきであると考えるがいかがか?男女協働参画ルームにおいて、デートDV危険度チェックシートの各地への配布や防止するための講座などできることはいくらでもあると思うが、ぜひ検討していただきたい。一刻も早く前向きな対応を期待したい。


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