2006年 2月議会 討論



◎第33号議案 「箕面市ホームヘルプサービス手数料条例及び箕面市立ケアセンター条例改正の件」


■討論
                                                  市民元気クラブ 中西とも子

●第33号議案 「箕面市ホームヘルプサービス手数料条例及び箕面市立ケアセンター条例改正の件」

 同議案は大まかに言うと、2003年度から支援費制度の枠組み以外に市独自の取り組みとしておこなってきたヘルパー派遣や手話・要約筆記などのサービス事業についての手数料を、自立支援法の枠組みで徴収することとし、また高齢者については改訂された介護保険法に準じたかたちで同じく手数料を設定する、というものです。

 これらの制度変更の基本には従来の「応能負担」から「応益負担」への転換があります。いくら財政難であるとはいえ、生きるためのサービスには「応益負担」はなじまず、憲法25条で定められた「生存権」に反し、また「箕面市福祉のまち総合条例」で掲げられている市の基本姿勢からも乖離しているといえます。

 また、この条例改正においてサービス内容がどのように変わるか、についてですが、負担が軽減される人や逆に高くなる人などまちまちで、利用料金の負担額からだけを考察すると、一概には良し悪しについての判断ができかねるという側面もあります。

 「障害者自立支援法」自体は、国が定めた制度であり、今後も障がい者が地域で自立し社会参加ができるよう、制度の改善を求めて自治体としてもさらに国に対し要望していかねばならないことは言うまでもありません。
また、「地域生活支援事業」はこれから整備しなくてはならないものですが、市町村独自で事業を決定できるため、これまで箕面市が独自に取り組んできたきめ細やかなサービス内容と質を維持するよう努力していくことも可能です。

 2月の「箕面市保険医療福祉総合審議会」において担当課は「これまでのサービス基準の大幅な引き下げはない」とし、さらに市民元気クラブの代表質問にたいして「可能なかぎりサービスの質が低下しないよう配慮」という前向きな理事者答弁をいただいています。市の財政が厳しい状態ではありますが、福祉サービスや社会保障制度が充実しているということは何より「安心・安全」が担保されたまちであるということの証しとなります。これから市としてできるかぎりの前向きな取り組みを期待し、この条例改正案に賛成いたします。


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◎第54号議案 「箕面市高齢者等介護総合条例改正の件」


■討論
                                                  市民元気クラブ 中西とも子
●第54号議案 「箕面市高齢者等介護総合条例改正の件」について賛成の立場で討論いたします。

 介護保険制度の見直しで、制度に大幅な改定が加えられ、4月からのスタートを向かえようとしています。この見直しの背景には増え続ける介護給付費を抑えたいという国の狙いがあり、昨秋から特別養護老人ホームなど施設入居者の食費、住居費が保険給付からはずれ、自己負担となりました。
4月からは、運動・生活能力の低下を防ぐ「介護予防」、在宅介護支援を強化する「地域密着型支援」の二本柱が制度に加わることになります。これらの新たな制度について、仕組みが激変するなかで国の法整備の遅れにともない、自治体では手探りの対応を余儀なくされています。

 また、介護保険料の改定は高齢者福祉に必要な公費を削減し、その分中高年の国民に負担を課すということであり、9割近い被保険者が生涯にわたり受けることもない保険を「掛け捨て」で支払っている、ともいえます。介護を必要とする高齢者が介護保険サービスを利用すればするほどその市町村の高齢者全員の保険料が上がっていく、という仕組みになっているのです。年金はほとんど上がらず、高齢者の医療費負担は大幅に増え、わずかな年金から、生活できようができまいがお構いなしに天引きされる介護保険料は低収入の高齢者の生活費を削り落とす結果になっています。低年金のわずかな生活費で爪に火を灯すような暮らしをしている高齢者から保険料を取り立てる役割を担わなければならない自治体職員もまた不憫です。

 以上のように矛盾をはらんだ国の制度ではありますが、今回の保険料設定においては多段階設定等の負担軽減策をおこなうなど、まだまだ不十分であっても市の一定の配慮・努力姿勢は評価したいと思います。
 また、地域で保健・医療・福祉の社会資源を活かしたネットワークを構築し、高齢者と介助・介護家族支援を強化する「利用者の視点に基づく制度」の確立が強く求められています。と同時に介護現場で働く人々の人権と労働環境・条件がきちんと守られるというバランスの良いシステムの整備に向け、自治体の果たす役割と責任は重大であるといえます。箕面独自のきめ細かい制度構築と実りのある運用が実践されなければならず、前途多難であることは否めません。
 日々、誠意と熱意をもって身を粉にして職務をまっとうしておられる職員・理事者のみなさまが今後も国に対し、介護保険制度の改善を強く要望していただき、地域で多様なニーズに応えることのできる、より良い制度構築に向けて邁進していただけることを期待しまして、今回は賛成の意を表し、私の討論といたします。


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