2010年6月議会 討論

市民派ネット 中西とも子

○反対討論

◎ 第71号議案 「平成22年度(2010年度)箕面市一般会計補正予算(第2号)」

第71号議案「平成22年度(2010年度)箕面市一般会計補正予算(第2号)」に反対の立場で簡潔に理由を述べます。

まず「北部地域活性化事業」、すなわち止々呂美ふるさと自然館野外活動緑地建設工事に関する予算1億8,743万9,000円に賛成しかねるものです。

この事業の財源は、国からの交付金5,200万円のほかに、NEXCO西日本高速道路株式会社の助成金が7,500万円、市の一般財源2,443万9,000円、市債発行3,600万円となっています。とりわけNEXCOの助成金は、新名神高速道路建設に伴う見返りに受ける助成金となっています。

これまで止々呂美の皆さんと行政との間で時間を重ねて協議を進めてこられたことについては尊重したいと思いますし、今後止々呂美の自然を守り、かつ止々呂美地域の活性化と過疎化対策を推進することについては賛成いたします。そして、できる限りの支援を惜しむべきではないと考えております。

しかしながら、そもそも止々呂美の自然を大切にし、自然との共生をうたいながら、環境や自然の破壊につながる事業を推進するという考え方には納得ができません。

また、野外活動緑地はオートキャンプ場や魚釣り、多目的広場、駐車場などが整備されるという委員会での説明でした。特にいずま谷入り口の棚田付近は、以前は絶滅危惧種がいたところであると聞き及んでいますが、今はすっかり乾いています。しかし、まだ今なら復元が可能と言われており、環境を取り戻す整備に力を注ぐべきであると考えます。

キャンプサイト予定地の周辺にはモリアオガエルの産卵地もあり、キャンプ場整備の工事によって、関連設備の工事とあわせて、周囲に多大な影響を与えることが予想されます。

観光事業ありきではなく、まずは貴重な止々呂美の自然を守り、グリーンツーリズムのような事業の導入を第一に考えるべきです。キャンプ場ではなく、自然観察や棚田の体験ゾーンにするなど、自然を守りながら活用する方法を模索すべきです。

このような大事な事業こそパブリックコメントを実施しながら進めるべきでしょうし、市民からも豊かな自然を守るためにキャンプ場開発の中止を求める要望書が市長あてに届いていると伺っています。

なお、さきの委員会でも安全性に関する議論や安全を願う意見が散見されましたが、ダム湖の跡地の安全対策について、市は国が責任を持って実施するように要請すべきであると考えます。

また、施設管理については、早々に指定管理者の導入を決め、ネーミング・ライツをその条件としている点についても、止々呂美の住民の方々の悲願であった活性化や過疎化対策にはつながらないのではないかと危惧をいたします。

市の財政支出を最少に抑えることのみが先行していますが、時間をかけ、地域住民の方々の主体性を尊重し、可能性を信じて支援するのが本来の行政の役割ではないでしょうか。官民共同事業というものを頭から否定するつもりはございませんが、地域のための施設名は地域の方々が中心となって決定すべきでしょうし、地域住民の雇用や経済循環などを考えた事業のあり方も模索すべきではないでしょうか。

さらに、今回の補正で組み替えとなった「社会資本整備総合交付金」には、箕面駅周辺活性化事業が含まれています。この事業については、ガレリアやガラス張りシェルターなどデザイン性と周囲との調和の問題、費用対効果の問題など課題を残しています。

そもそも回遊性の問題は、サンプラザや商店街の空き店舗対策などを抜きにしては考えられません。懇話会で市民の方々が提案されていた、美化清掃に関わる維持管理の課題も棚上げ状態です。何のための駅前整備なのか。厳しい財政状況の中で、最少予算で最大効果を上げるための検討が足りない中での強行実施には賛成できません。

以上、反対討論といたします。


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