2005年 9月議会 議員提出議案

市民元気クラブ 中西智子


◎議員提出議案 第13号 「障害者自立支援法」に関する意見書
市民元気クラブの中西智子は議案説明を行いました。

議員提出議案第13号
「障害者自立支援法」に関する意見書
 去る8月8日、参議院本会議での郵政民営化法案の否決を受け、衆議院が解散され、それに伴って、参議院で審議中だった「障害者自立支援法案」は廃案となった。
 この「障害者自立支援法案」は障害当事者にとって、実生活に大きく関わる切実で重要な問題を含んだ法案であった。
 7月13日に衆議院・厚生労働委員会、15日に衆議院本会議で採決が行なわれ、与党多数で可決され、参議院に送られた。その後、参議院では1回委員会が開催されたが、これらの審議を通じて、むしろ、この法案の問題点や矛盾点が明らかにされた。この間、障害当事者や関係者らによるかつてない大規模な抗議行動が行なわれた。
 一旦「障害者自立支援法案」は廃案となったが、尾辻厚生労働大臣は、この特別国会に同じ内容の法案を再提出すると明言している。
 この「障害者自立支援法案」は、厚生労働省がニーズ調査や予算の増額をせずに「支援費制度」を導入した結果として、サービス利用の顕在化による予算不足が原因により考えられたものである。現行の障害者施策を大幅に改革することを目的に、「三障害(知的、精神、身体)の保健福祉施策の統合」「自立支援システムへの転換(施設の再編と就労支援)」「制度持続可能性の確保」等が掲げられ、具体的な提案として「サービス量を決めるための全国共通の尺度の開発」と、「専門家で構成される審査会の設置」「応益負担(サービス量に応じた負担)の導入」「施設入所者の自己負担の見直し」「精神医療、更正・育成医療の負担見直し」等が打ち出されている。
 しかし、「障害者自立支援法案」は、障害当事者の生活実態や各市町村の制度状況を反映するための基礎データが極めて不十分であり、国会の審議でも多くの問題点、矛盾点が指摘されている。にもかかわらず厚生労働省は十分に説明責任を果たさず、当事者や自治体を無視して性急に議論を推し進めてきた。
 よって、国及び政府におかれては、下記の事項を実施するよう強く要望する。
一 先の通常国会での障害者自立支援法案の審議において提起された問題点を踏まえ、一定の時間をかけて詳細な実態把握と障害当事者、関係者との慎重審議を行なうこと。
二 先の通常国会でも指摘されていますが、日本の障害福祉関係予算はOECD諸国との比較においても極めて低い水準にある。障害福祉施策を進めていくため、2006年度の財源確保を行なうこと。
三 先の通常国会での審議において障害者自立支援法案が成立しなければ本年度予算の2ケ月分170億円が確保できなくなるととの説明が繰り返された。国の責任として予算不足が生じないよう早急に適切な予算処置を講じること。
 以上、地方自治第99条の規定により意見書を提出する。
平成17年9月27日
箕 面 市 議 会

 以上のとおりですが、この意見書は一旦幹事長会議では不採択となりましたが、その後の国会情勢が激変したため、当初想定された同法案の内容修正すらなされず、ほぼ原案のまま今特別国会に性急に再提案されようとしています。また、提案者として皆さまに対し充分な議論・説明が尽くせなかった点について申し訳なく思いますが、障害当事者とそのご家族にかかわる非常に重大な、そして時期的にもさしせまった案件であることから、あえて議員提案とさせていただきました。
 ご承知のとおり、北摂七市のうち豊中市、吹田市、茨木市、高槻市がこの法案に反対、もしくは慎重審議を求める意見書をすでに採択しています。先進的に障害者施策に取り組んできたわが箕面市がこの意見書を採択できないとすれば、これまでの輝かしい成果に逆行することにもなりかねません。
「箕面市人権のまち条例」「箕面市福祉のまち総合条例」の理念にのっとり、箕面市議会の見識を示すべきであると考えます。
 また、最後になりましたが「箕面市手をつなぐ親の会」のみなさまをはじめ、箕面市在住の多くの障害当事者ならびにご家族や関係者の方々からも、「障害者自立支援法案をこのままの内容で成立させることは止めてほしい」「せっかく街へ出ることができたのに、また閉じ込められた生活に逆戻りしてしまう」という懸念から、「この意見書を是非採択して欲しい」との切実な思いが寄せられております。また、本日国会前におきましても炎天下で障害者および支援者の方々がこの法案の問題性を訴えながらなりゆきを案じておられることを申しそえまして、議員のみなさまがそれぞれの良識あるご判断でご賛同いただけますよう切に要望いたします。よろしくご審議のうえ、ご採択いただきますようお願いいたします。


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