2004年12月議会 討論要旨


◎「箕面市事務分掌条例制定の件」

第94号議案「箕面市事務分掌条例制定の件」に賛成の立場から意見をのべさせていただきます。
まず本案のコンセプトが、市民の立場に立って市役所機構を改革し構築しようとしたものであることを評価したいと思います。
市民にとって一番つらいのが、たて割り行政による市民サービスの低下です。ともすれば「たらいまわし」となってしまう現状の打開に向けた「市民部」の設置はCS(顧客満足)の向上につながることと思います。このサービスをさらに進化させて「ワンストップサービス」が実現するよう、期待します。
またこども部が教育委員会の一元管理になるとのことですが、就学前・後で所管部署が異なるという従来の組織形態では、子育て・教育をトータルに捉え、継承・発展させてゆくことが難しく、市民にとっても非常に分かりづらい機構となっていました。このたび、ようやくこの課題に着手されたことはよい事だと思います。
都市計画部・都市環境部の設置は自然環境・生活環境・ごみ問題など「環境」に係わる問題を有機的にとらえる機関としての役割に大いに期待が持てます。『緑の中にまちがある箕面』の実現にむけ、現場の職員の方々と市民が一丸となって取組めるようにお願いします。
健康福祉部については、生活保護の相談等、プライバシー保護の観点からライフプラザの施設利用が望ましいと考えますが、市民に不便がないよう最大限の配慮がいただけるという条件付きで賛成するものです。
最後に人権施策に係わる議論が委員会でなされておりましたが、各々の差別問題には「区別」と「同一性」があり、また差別構造を支えている経済的・文化的・社会的要因の解決なしに差別の解決・解消はありえません。部落差別の現状は2004年3月にまとめられた「箕面市民の人権に関するアンケート調査報告書」において自分のこどもが結婚するさいに、被差別部落出身者の身元調査に肯定的な意見が20%を超えている」という調査結果が出ています。また、北摂の各地で未だ差別事件があとをたたず、「差別が解消した」とは言えない状況です。よって、これからも人権施策は必要であり、個別の課題としての同和問題の解決に向けた取組も引き続き人権文化部にておこなわれるべきであると考えます。
以上、本案の機構改革は多くの方々がアイデアを積み重ね、時間をかけて作成されたことと承知しています。そしてどんな立派な組織・機構であっても、その運用を誤ると、残念ながら絵にかいた餅になってしまいます。藤沢市長の指導力に期待するとともに、今こそ「勇気ある市役所改革」のために、行政が一丸となって業務を遂行されますことを呼びかけまして、私の賛成討論といたします。

2004年12月議会報告へ戻る


◎「自衛隊のイラク派兵延長を中止し、即時撤退を求める意見書」

■議員提出議案 「自衛隊のイラク派兵延長を中止し、即時撤退を求める意見書 」第12号に賛成の立場で討論させていただきます。
 12月10日、6割以上の国民の反対を押し切り、政府はイラクの自衛隊派兵延長を決定しました。尊い5名の命が奪われたのは言うまでも無く、10月31日にはサマワの宿営地にロケット弾が撃ち込まれ、鉄製の食糧倉庫を貫通し、初めて施設に被害が出たことは周知のとおりです。
 もはや、イラクに「安全な」場所はなく、「非戦闘地域」なるものも存在しません。米英軍によるイラク侵攻が開始されてから2年になろうとしています。開戦以来イラク全土で、少なくとも10万人の市民が犠牲になったと言われており、また、米兵も1600人以上が戦死しています。ブッシュ大統領の戦争の大儀であった科学破壊兵器の存在説はいまや幻と化し、政策・占領政策が破綻していることは誰の目にも明らかになりつつあります。
12月14日付けの毎日新聞に、ダグラス・ハード英国元外相のインタビュー記事が出ていましたが、その中で彼はこう述べています。「・・・イラクの治安は悪化しており、ファルージャ攻撃のように力でそれを改善できるという考えは既に誤りだったと証明されている。・・・(中略)・・・日本がイラク戦争を支持しなかった(としても)、同盟関係に致命的ではない。日本は恐れる必要はない。米国の同盟国に必要なのは、世界について懸念を共有する友人の助言であり、沈黙ではない」
 また、小泉首相が自衛隊派兵延長の理由にあげている自衛隊の地元での支持について、誤ってはならないのは、自衛隊が帰ったあとには「日本の企業が必ずやって来る!」という切実な期待にほかならないということです。
米英軍のイラク侵攻を肯定するかたちでの自衛隊派兵を即刻中止し、劣化ウラン弾の被害で苦しむ子どもたちを救うことこそが今もっとも急がれることではないでしょうか。と同時に自衛隊の長期駐留は彼らの身体さえも蝕む恐れがあることを政府関係者はしっかりと自覚すべきであると思います。
日本政府の政策は世界の平和を希求する日本国憲法の精神に反しています。箕面市は非核平和都市宣言で平和の尊さを高らかに宣言しています。その意味においても箕面市議会のみなさまがこの議員提案議案に賛同くださることを心から訴えて私の賛成討論といたします。

2004年12月議会報告へ戻る


閉じる

トップページへ戻る